服のタグを見る時、ブランド名の次に目に入るもののひとつが、生産国です。
Made in USA、Made in France、Made in Italy。
産地の名前には、それだけで少し特別な響きがあります。
けれど、生産国だけで服の良し悪しが決まるわけではありません。
今回取り上げるのは、〈Patagonia〉のチェックシャツ。
タグには「MADE IN PORTUGAL」と記されています。
赤を基調に、落ち着いたグリーンを細かく重ねたチェック。
両胸にはポケットが付き、素材表記は100% COTTON。
アウトドアブランドの一着ですが、見た目にはいわゆるアウトドアウェアらしい機能性が強く出ているわけではありません。
むしろ、日常のシャツとして自然に着られるところに惹かれます。
ポルトガル製という事実も、この服を見るためのひとつの入り口です。
ただ、それだけを理由に選ぶのではなく、その背景と実際の服を一緒に見る。
細かなチェックの配色。
少し褪せたようにも見える赤とグリーンの馴染み方。
シンプルな襟。
左右に置かれた胸ポケット。
ひとつひとつを見ると、ブランドロゴを前に出さなくても成立するシャツであることが分かります。
古着には、生産国や年代、ブランドといった分かりやすい情報があります。
それらは服を知るための大切な手がかりです。
一方で、タグの情報だけを追ってしまうと、目の前の服そのものを見ることを忘れてしまうこともあります。
このシャツなら、まず赤いチェックをどう日常に混ぜるかを考えてみる。
黒やチャコールのパンツに合わせれば、柄の強さを少し静かに見せられます。
白や生成りのインナーを入れて前を開ければ、赤の面積が減り、羽織りとしても取り入れやすくなる。
デニムの上にそのまま着るだけでもいいですが、少しきれいなパンツと合わせることで、アウトドアブランドというイメージから離れた表情も見えてきます。
古い服だから、当時らしく着る必要はありません。
アウトドアブランドだから、アウトドアの文脈だけで考える必要もありません。
産地もブランドも、その服を見るための入口のひとつ。
そこから先は、色や形、素材、そして自分の手持ちの服とどう馴染むかを考えてみる。
タグから始まって、最後は自分のワードローブへ戻ってくる。
そんな見方をすると、古着の生産国表示も、単なる価値の印ではなく、その一着をもう少し深く見るためのきっかけになるのかもしれません。
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生産国やブランドだけではなく、
色、柄、素材、シルエットまで含めて気になったシャツをいくつか選んでいます。
同じカテゴリーでも、それぞれ違う表情を持つものとしてご覧ください。